レビュー

  • Molly miller blenny

    2014年8月30日

    Molly miller blenny(Scartella cristata)は自然下では、岩礁の浅場やタイドプールに生息する雑食性のタテガミギンポです。食性は幼魚の時は主に甲殻類を食し、成魚になると藻食性(特に糸状のコケを食す)が強くなるそうですが、食性はその個体の生まれ育った環境にも依るようです。また、この魚はAiptasia-eater、つまり、いわゆるカーリーを食べることや、デトリタスを減少させることも報告されています。体長は最大12cmになり、体色はオスでは黒っぽくなり、メスでは比較的明るい色になります。 今回、お送り頂いた個体は、水槽投入後の体色の変化はありましたが、商品画像とは異なり、暗茶褐色のものでした。投入直後に、チェルブの尾びれを噛むという気の荒い性格を見せましたが、2日目以降は喧嘩をしないようになりました。また2日目から、メガバイトグリーンとFDブラインシュリンプを食べるようになりました。非常に貪欲で、FDブラインシュリンプの塊を丸ごと咥えて、ライブロックの中に持ち去ります。今のところ、ライブロックや敷き砂をたまに突きますが、コケを食べる様子はなく、またヤドカリや貝を突くこともありません。さらに、尾びれを激しく振って、パウダーサンドを掘りますので、砂の上にサンゴを置いていると、砂を掛けられるかもしれません。水槽のどこにでも顔を出し、愛嬌のある仕草を見せてくれます。カリブ海の生体は高価なことが多いですが、この魚は、カリブ海以外でも広く分布していますので、より安価で購入できるようになると良いですね。尚、市場でモリーミラーとして流通している魚が、すべて Scartella cristata か否かは、当方には分かりません。