エンゼルフィッシュ
- 淡水
- 海水
- 弱酸性
- 中性
- 弱アルカリ性
- 名称
- エンゼルフィッシュ
- 学名
- Pterophyllum scalare
- 分類
- スズキ目ベラ亜目シクリッド科エンゼルフィッシュ属
- 別名
- 並エンゼル
- 分布
- ブラジル、ペルー、コロンビア、ギアナなど
- 全長
- 最大160mm程度
- 飼いやすさ
- 普通
-
熱帯魚飼育の基本が押さえられていれば、飼育が可能です。
水質の悪化や低温には弱い傾向があります。
弱酸性~中性の水に適しており、弱アルカリ性の水には適していません。
- 初期費用
- 安い
-
飼育だけなら水槽・フィルター・ヒーターの基本3点セットがあれば、飼育可能です。
水槽サイズは小型の30cmキューブ水槽、フィルターは水中フィルター、ヒーターは26℃固定式のオートヒーターと、安価なランクの器具でも十分に飼育可能です。
- 混泳のしやすさ
- 混泳不向き
-
低層魚のプレコやコリドラスは混泳の相性が良いです。
小型のカラシンなどは、エンゼルフィッシュが成長すると食べられてしまうことがあるため、混泳には適していません。
同種間でも争う場合があるので、初めての飼育なら単独飼育がおすすめです。
- 水草
- 可能
-
水草との相性も抜群です。
優雅になびく水草レイアウトに優雅に泳ぐエンゼルフィッシュを合わせると、大変美しい水景を表現できます。
水草をかじることもありません。
- 水温
- 普通
-
22~27℃に適しています。
最も調子が良いのは25℃前後で、この付近の水温に設定しておくのが理想的でしょう。
一般的な温度固定式のオートヒーターで十分です。
- 寿命
- 長生き
-
熱帯魚の中では長く、5~7年程度とされています。
複数飼育しているとペアを形成し、産卵、子育てする姿を確認することができます。
エンゼルフィッシュについて
熱帯魚の代名詞的存在で非常に有名な熱帯魚です。
飼育は容易で、熱帯魚飼育を学ぶために適した種といえます。
体型や大きく伸びたひれが特徴的で、優雅に泳ぐ姿が魅力的です。
また、飼育環境に慣れると餌を求めて水面に口を向ける姿も大変チャーミングです。
近年では、原種系以外にも改良されたさまざまな品種が流通しています。
エンゼルフィッシュの飼育方法
- 給餌
-
- 浮上性
- 顆粒
成長するとフレークでは細かすぎるので、顆粒タイプの餌が良いでしょう。
1回5分で食べ切れる程度の量を、1日2~3回に分けて与えるのが理想的です。
食べ残しが出るようであれば、網ですくい取りましょう。
- 水温
-
- 22~27℃
基本的な飼育には、飼育水槽サイズに適したヒーターが1本あれば十分です。
以下を目安にしてください。
・水温が22℃を下回る場合はヒーターが必要です。
・水温が27℃以上になる場合は冷却ファンを使用してください。
・水温が35℃以上になる場合は、クーラーも必要です。(水温が35℃以上の場合は、飼育環境自体の見直しをおすすめします)
- 換水
-
- 週1回
- 約50%
新しい水は水槽の水と同じ温度に合わせておき、カルキ抜きなどで塩素を中和してから入れます。
水質の変化に敏感なので、水温・水質を急激に変化させないようにしてください。
- 病気
-
- 尾腐れ病
- 白点病
-
尾腐れ病
細菌の感染により、尾びれの先端が溶けてしまう病気です。
購入後の移動や他魚からの攻撃により発生したスレ傷から進行してしまう場合が多いです。
網ですくう際や混泳の際には、尾びれや口にダメージを与えないように注意しましょう。 -
白点病
ひれや体表などに白い点が付く、観賞魚が発症する代表的な病気の一つです。
購入後の移動、水温・水質の変化によって発症してしまう場合が多いです。
生体導入時にトリートメントを行うなどして、水槽内に持ち込まないことが重要です。
- 特徴
-
- 泳ぐ天使
強く側扁したひし形の魚体に、長く伸長した背びれと腹びれ、尻びれを持つ独特のフォルムが特徴的です。
スカラレ・エンゼルは、銀色の退色に黒色の縞模様が入ります。
ワイルドでも他の原種系エンゼルフィッシュと比較すると、水質の変化に強く、繁殖も容易です。
エンゼルフィッシュの生態
分類的にはシクリッドの仲間に属します。
並エンゼルは別名で、スカラレ種のことを示します。
スカラレ・エンゼルは、ワイルドではペルー産やコロンビア産が主に流通しています。ペルー産の個体は、プロポーションが良いことからペルーアルタムの名でワイルド個体が流通していて、美しい色彩と優雅な姿が魅力的な種です。
身体の各所にブルーメタリックが発現する品種をエンゼルフィッシュ・ブルーと呼びますが、これもスカラレ・エンゼルから派生した品種です。
また、ほとんどの改良品種の元をたどるとスカラレ・エンゼルにたどり着くともいわれています。
飼育下でも繁殖は容易で、ワイルド個体でも水質の変化に強い傾向にあります。
繁殖は容易ですが、雌雄判別は困難です。繁殖を狙う場合は複数飼育し、自然形成されたペアを得る必要があります。
出来上がったペアは一緒に行動し、他の魚を追い払うようにテリトリーを主張するようになります。
ペアを形成してしばらくすると、最も安全で産卵しやすい場所を自分たちで探し、一生懸命に産卵したい場所を口で掃除します。
主に、アマゾンソードなどの葉部分が大きく伸びた水草やフィルターのパイプなどに産卵します。
一度に産む卵の数は500~700個ほどとされています。
産卵後は、親が卵や稚魚の世話をするので、魚に任せておいて問題ありません。
他のエンゼルフィッシュや若いペアは食卵してしまう場合があるので注意が必要です。
稚魚がふ化した場合、隔離する必要はありませんが、ブラインシュリンプを与える必要があります。
ふ化から数日はエンゼルフィッシュとは判別できないような姿をしていますが、10日もすればエンゼルフィッシュだと分かる姿になります。
エンゼルフィッシュは昼行性です。夜は水草の陰などでじっとして眠っています。
ライトはあってもなくても飼育には問題ありませんが、あった方が鑑賞性は良いでしょう。
エンゼルフィッシュ飼育セット
エンゼルフィッシュ飼育用品の選び方
- 水槽
- 扱いやすく、美観にも優れる30cmキューブ水槽がオススメです。
- 水槽台
- 水槽は30cmキューブ水槽専用の水槽台に設置しましょう。
- 照明
- 幅30cm水槽に適合したものを選びます。
水草を植える場合は明るさを示すlm(ルーメン値)の高いものを選ぶと良いでしょう。魚だけの場合は、安価なものでも問題ありません。
- フィルター
- 初めての方には、水中フィルターがオススメです。
水中モーターで汚れを吸い込み、こしてきれいになった水をまた水槽に戻すフィルターです。専用ろ材がセット済みのため、電源を入れるだけで作動する扱いやすさが特徴です。
水槽外にフィルターがはみ出さないので、水槽周りをすっきり設置できます。
- 底床
- エンゼルフィッシュの場合、砂利系または砂系がオススメです。
ソイルでも飼育は不可能ではありませんが、砂利系の方が失敗は少ないでしょう。
エンゼルフィッシュ以外の魚を主役として混泳させたい場合、エンゼルフィッシュが主役の魚に合わせる形としてソイルを採用するのはあり得ます。
- ヒーター
- 26℃設定の、水量25L以下に対応したオートヒーターで十分です。
80W程度が目安となります。
- フード
- フレーク、顆粒どちらのタイプも食べます。 顆粒の場合、できるだけ小粒で浮上性タイプが良いでしょう。
大きくなったらフレークは食べにくいので、顆粒タイプの物を与えると良いでしょう。
餌付けにも苦労することはほとんどありません。
- 水温計
- ヒーターが正常に稼働しているか動作確認に必要です。
数字の読み取りがしやすい、お好みのサイズ、デザインを選ぶと良いでしょう。
正確性を求める方には、デジタル式のタイプがオススメです。
- カルキ抜き
- 水換えの際の必需品です。
家庭の水道水には、魚にとって有害な塩素が含まれており、この中和のために使用します。
コンディショナー効果を付加させた製品もあります。
なお、井戸水を使用している場合、使用しなくても構いません。
- バクテリア剤
- 水槽の立ち上げを早めるろ過細菌(バクテリア)です。
水槽の立ち上げ初期に添加すると水槽の立ち上がりが早くなるといわれています。
- 水換えホース
- 水槽の水換えの際に必要なサイフォン式ホースです。
砂利の中からゴミだけを吸い出せるタイプが理想的です。1週間に1回程度、このホースを使って水槽内の汚れを吸い出します。