大きめサイズ。睡蓮・蓮を使った本格的ビオトープに最適です。
小さめサイズ。姫睡蓮を使ったレイアウトに最適です。
小さめサイズ。姫睡蓮を使ったレイアウトに最適です。
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「豪放」「大胆」、まさにこの男を形容するにふさわしい言葉。
しかし、この男の指先からは想像ができないほどの繊細な動きで我々に"匠"を見せつけた。
次々に紡ぎ出される至高の品々。
それぞれに一点の曇りなどあるわけもなく、ただ仏の如く無心で土と戯れる男の背中と作品に垂涎の眼差しを注ぐ。
火を自在に操り、自らの燃えたぎる情熱と共に、男は工房に"彩"という名の大輪の花を咲かせ続けた。一心不乱。緊張感が走る。
睡蓮もこの鉢なら見事に咲くに違いない、そう思わせる空気が工房に充満する。張り詰めた緊張感の中で創り出されたこの睡蓮鉢一つ一つに作り手の魂が宿る。
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栃木県南東部に位置する益子町。
陶器で有名なこの地で一つ一つ丹念に作られる睡蓮鉢、彩。
妥協を知らない職人の手によって精魂込めて作られた鉢にはそれぞれ表情があり、決して優劣などつけることのできない“味”が備わっている。
主役である睡蓮・ハスをいたずらに邪魔することなく、存在感を損なわない頼もしい仕上がり。
職人の情熱が贅沢なまでに注がれた鉢で大輪の花を咲かせてみてはどうだろうか?
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こだわりぬいた睡蓮鉢“彩”。
そのこだわりの核心に触れるためインタビューを決行した。
頑固な男は深慮するような表情を浮かべながら、彩に込めた思いを大切にそしてかみしめるように言葉を口にした。
睡蓮鉢は陶器としては大変大きく、最も難しい部類に入るという。
完成に至るまでさまざまな行程を経るが、各工程で「ひび」が見つれば言うまでもなく商品にはなり得ない。
最終工程でひびが発見されることも多く、愕然とすることも少なくないという。
商品になる確率はなんと二分の一。天候にも左右される鉢作りは、最終工程までたどり着いてもほとんどがボツになることさえもある。
そんな中で生き残ってきた“彩”には職人のドラマが凝縮されているのだ。
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一つの鉢を作り上げるのにかかる日数は約2カ月。
“彩”は一筋縄ではいかない頑固なつわものなのである。
手間隙かけて完成した“彩”には職人の熱い思いが込められている。
その製造過程は以下の通りとなっている。
1. 職人がこだわりを持って選んだ二種類の粘土を混ぜ合わせる。
2. 真空土練器で練りこみ、ひびの原因となる空気を抜く。
3. 形作り。
4. 2日後、底部その他の削り。
5. 3週間の乾燥(乾燥スピードを調節するため季節に応じてビニールをかける)。
6. 釉薬を塗るための素焼き(24時間じっくりと時間をかけ650度から850度まで丁寧に温度を上げていく。急激な温度変化はひびを招くので細心の注意が要求される)。
7. 釉薬を塗り、彩に化粧を施す。
8. 本焼きで命を吹き込む(24時間1280度で焼き上げる)。
9. 冷め割れを防ぐため、2~3日かけて焼いた鉢を冷ます。
10. 最終チェックとして、叩いた音で内部に細かなひびが生じていないかを確認する。
緊張感の張り詰めた工房。それはまさに“静”の空間。
そこに余すところなく職人の技と情熱がほとばしる。その姿たるやまさに“動”。
両極が調和したとき生み出される珠玉の逸品、それが彩なのである。彩が誕生する貴重な様子をぜひご覧いただきたい。