荒波に削り取られた断崖絶壁を四角い
木化石を重ね合わせて2段に組んでいます。
石を3段に組み上げて、下の海岸と崖の丘の高低差を強調すると、さらにダイナミックなレイアウトが出来ます。 地層を表現しているので、石を組む際は出来る限り同じような模様と色合いの石を隣り合わせにします。 下段と上段を組む際は、面と面が合わない場合が多いので、うまく重ならない場合は適当な小石を挟んでかみ合うようにするか、 木化石は削れる向きがあるので、石ノミで面と面が合うように削って対応してもよいでしょう。 小石を挟む場合でも層の向きと色合いが合うものを選びましょう。石を組み上げたら壁の中に
ソイルを盛ります。
目立って特長がある大きな木化石は、岬に例えて一番手前中央に石の向きを若干水槽の中心軸からずらして配置します。 一番手前に大きく目立つ石を強く張り出すことで、臨場感が生まれ、 他の石はそれよりも小さいため実際の石の位置よりも奥まって見えます。
岬の石の向きを水槽の中心軸からずらすことで、水槽を正面から眺めると 左右対称でなくなり、レイアウトに動きを与えます。
岬の石から右側の崖と左側の崖は、目線が左右を比較するのを利用して、動きを与えるように崖の描く弧を変えています。
水槽正面からそれぞれ左右の角度から立ち位置を変えると、景色が変わるようになっています。
中央の岬が水槽正面の前面ガラスぎりぎりまで大きく張り出しているため、 水槽の左側から眺めると水槽の右側の景色が見えないようになっています。
同様にして水槽の右側から眺めると水槽の左側の景色が見えないようになっています。
このように水槽の前面ギリギリまで高い位置の壁を作ることで、水槽を真正面から眺めて楽しむだけでなく、 左右の視点からも観賞できて、合計で3つのレイアウトを1つの水槽で実現できます。
隣り合わせた石と石の縦横の隙間に
キューバパールグラスを手とピンセットで差込みます。 キューバパールグラスは石にへばり付いて這う特性があるので、垂直に切り立った崖の亀裂の隙間から植生がある雰囲気を出します。
生長してくると、亀裂からはみ出て垂直に切り立った石の表面にも這うようになります。
崖の足元に礫をまばらに撒いて、
エキノドルス・テネルス、
テンプルプラント・コンパクト、
日本産ホシクサ、
を所々にアクセントとして植え込みます。 礫は海が崖まで運んできた角が取れた石を表現しています。 一番手前の田砂は砂浜を表現し、海岸と海の浅瀬を表現しています。 所所に小さい木化石を突き刺すように配置すると、視点の導線にもなってリアリティが増します。
崖の上には、崖の上の下草を表現した
ウォーターローンで敷き詰めて、
一番奥に崖の丘の林を横に這う
ロタラ・ワイナードで表現しています。 生長してくると、ウォーターローンの鮮やかな黄緑色の絨毯が草原を表現し、 ロタラ・ワイナードの茂みがウォーターローンに迫ってくる様子が想像できます。
一番右側の壁沿いにはあえて崖が崩れている様子を再現し、剥き出た土に
ベトナムゴマノハグサを植えて 絶壁から懸命に生き抜く草木を表現しています。